紅茶で気取るな〜

今販売されているマガジンハウスの「BRUTUS」では「お茶(紅茶・緑茶)特集」が組まれています。

人より長く過ごした大学時代に紅茶にどっぷりとはまっていた私としては、友人がブレンドした紅茶(フィーユブルー)も紹介されていたので、生まれて初めて「BRUTUS」を買ってみました(というか、マガジンハウスの雑誌を買ったのが初めてかも…)。

特集の中では、一流和食店の料理人やソムリエがいろいろなお茶を試飲したり、インドや国内の茶園を取材していたり、とても充実しています。ページ数も多いしね。

 

でも、なんだか雑誌の「プチセレブ感」を示そうとするために、高級なお茶ばかり紹介。特に紅茶はダージリンのエステート物(茶園で摘んだお茶そのままで、他園や他産地の茶葉とブレンドしていない高級品)ばっかりで、「紅茶はお安く、ガブガブ飲むものだ」と思っている僕にとっては、「何だそりゃ」の世界でした。

 

「一方で意識の進んだ消費者の間で今フォーカスされているのは、単にダージリン産だというだけでなく、その中のどの農園で作られた茶かを重視する飲み方だ。(中略〜ワインのお話〜)ダージリンはどうか。ひと言で言ってワインとまったく同じである」(p083「ダージリンの茶葉が特別である理由」より)

 

以前、バブルの頃、日本人はドイツ人と競って、ダージリンの葉を買いあさりました。今はロシアや中東の人たちと争っているそうです。

↑のような偏った思想が進むと、紅茶そのものを楽しむよりも、それに付随する(と勘違いしている)ステータスやら高級感を楽しむようになってしまいます。紅茶の味を楽しむのではなく、その周りに漂う得体の知れないものを「身につけたい」と思う人が増える状況は不健康だし、紅茶好きとしては悲しいかぎりです。

 

いやぁ、書けば書くほど貧乏人のひがみに見えてきましたが、やっぱり紅茶はガブガブ飲むもの(←神保町TAKANOのご主人の受け売りです…)ですよ。

ところで「BRUTUS」って、こんな恥ずかしい成金プチセレブみたいな雰囲気の雑誌だったんですねぇ。イメージと全然違いました。