付加価値って何?

最近、よく耳にする言葉「付加価値」。

物をつくっただけでは売れないから、商品には付加価値がなければならないなんてことを、新聞・雑誌・インターネット・テレビで盛んに見聞きしますが、そもそも付加価値って何ですか?

単純に受け止めれば、「現状の商品価値に"+α"の価値を付加する」ということで、「環境に優しい」ハイブリッドカーだとか「調理機能が充実した」電子レンジ、無農薬野菜とか高級旅館なんかも、付加価値商品の文脈で語られて、新時代の切り札的な紹介をされています。

 

でも、ちょっと待って。

僕らが産まれる前から、商品やサービスの開発競争は行われてきたわけで、白黒テレビがカラーになったのも付加価値だろうし、日本のタクシーのドアが自動なのも付加価値になるし、カップルで温泉旅館にいったら布団をぴったりつけて敷いてくれるのも付加価値(違う?)になりますよね。

 

つまり付加価値と言われる機能やサービスの付加は、何も目新しいものではなくて、我々の経済社会に以前から深く深く根ざしていたものですよね。

それを、今になって「発見」したかのようにはしゃぐのは、結局、何か魔法の道具をみつけた気持ちにならないと、次の段階に進めない気がするからでしょう。

 

「今までのように頑張れ」じゃお説教にならない。「付加価値を生み出せ」って言えば、なんか上から物を言っているようで、説得力がある。

それだけな気がします。

 

だから僕は、新聞やテレビやネットで「付加価値」という言葉を見聞きすると、「あぁ、この人は何も考えていないんだなぁ」と思うのでした。