あちらとこちらのスタジアム

すごくすごく久しぶり(3年ぶりぐらい?)に、神宮球場で野球観戦。

誘ってくださった皆様、ありがとうございました。

 

で、空の見える球場は良いなーということとともに思ったのが、

野球場には野球以外に気が向いている人が多いなぁということ。

サッカーやラグビーやテニスのスタジアムとは明らかに違う、

牧歌的あるいは散漫な空気がスタジアムを包んでいるように感じました。

たとえば5回の攻守交替時に300発の花火が上がる。

ファンサービスとしては素晴らしいし、スタジアムも華やかで、

みんなが空を見上げてハッピー。

得点シーンより盛り上がります。

 

ピッチャーが投げても、バッターがアウトになっても、

そっぽを向いている人も一人や二人じゃありません。

 

一言で言えば「ゆるい」。

他競技のスタジアムではあまり見られないような、

「ゆるさ」がバックネット裏にも、内野にも、外野にもあふれていました。

 

でも、そうした「ゆるさ」が、人それぞれのスタジアムでの楽しみ方。

スタジアムに集う数万人が配球を予想しながら、見なきゃいけないわけじゃない。

 

そもそも途中から来て、途中で帰っちゃう人が珍しくないのが野球場。

そういうものだと思えば、気楽にスタジアムの空の広さやにぎやかな歓声、

おいしいスタジアムグルメに、ついでに野球だって楽しめちゃいます。

 

野球場は、初心者にとって、著しく観戦ハードルが低いスタジアムだったのです。

 

たとえばJリーグの試合をスタジアムに観に行けば、

大体90分ず〜っとピッチを眺めてることになります。

クラブのサポーターなら、喜んだり、ガッカリしたり、叫んだり、安堵したり、

大忙しで最高な90分ですが、ボンヤリ観戦者には、

ボンヤリしっぱなしの90分。

 

息抜きしたくても、するタイミングもなきゃ、おしゃべりしてくれる相手もいない。

ルールすら分からない日にゃ、つらく寂しい90分になってしまうでしょう。

 

でも、サッカー好き(あるいはラグビーでもテニスでも)にとっては、

スタジアムが一体となって、喜び、嘆き、叫び、静まる感覚が

何にも代え難い快感です。

 

野球場の場合、これがよほど舞台装置がそろわない限り起こりづらい。

自由で牧歌的な空気も、感情の全体共有を生むには阻害要因になっています。

 

僕はどちらのスポーツも好きなので、

あちらのスタジアムもこちらのスタジアムも楽しいのですが、

スポーツに馴染みのない人にとっては、もしかしたら野球の方が

とっつき安いかもしれません。

 

でも、どっぷりとオタク的にはまっていく人を生む場所としては、

サッカーやラグビー、テニススタジアムの方が、可能性が高い気がします。

 

彼女や彼氏をスポーツ好きに染めたいという人がいたら、

まず野球場から、そしてサッカー場(ラグビー場)へと

ステップを踏むと良いかもしれません。