サッカー観戦でアウェイの地に訪れると、お腹の底に響くようなブーイングの波を受けることがあります。
すごく迫力があるし、ちょっとヨーロッパの匂いもして格好良いような感じもするのですが、僕はブーイングが好きではありません。
日本のスタジアムからなくなってもらいたいと思っています。
1.ブーイングには敬意がない
一番、大きな理由はブーイングには選手に対する敬意が感じられないことです。「敵に対して、何の敬意が必要だ」と言う人もいるでしょうが、はっきり言います。
敵に対しても敬意が必要です。
スポーツは相手がなければ成立しません。
ひいきチームの勝ち負けに喜び悲しむことができるのも、大好きな選手の活躍に溜飲を下げることができるのも、敵がいるからです。
僕は観戦者がスポーツ(特にプロスポーツ)を構成する一つの要素である以上、僕らにもスポーツマンシップが必要だと思っています。
そりゃ、負ければ悔しいし、腹の立つプレーを見せつけられることもあるけれど、最低限失っちゃいけないものもあるわけです。
で、ブーイングはその一線の向こう側にあると考えているわけです。
2.悪感情の契機になる
さらにブーイングは、やられた側にとった悪感情を巻き起こす契機になるリスクに満ちています。もしかしたら、選手にとっては我慢しなくちゃいけないことかも知れないけれど、相手のファンにとっては「挑発」以外の何物でもない。
スタジアムは、「ケンカ上等」な人だけで構成されているわけではありません。純粋に楽しむために足を運んだ人に対し、イヤな想いを押しつけるなんてどうかしてると思います。
3.空気が平板になる
相手チームがボールを持つたびにブーイング、バックパスのたびにブーイング。何でもかんでもブーブー言っていたのでは、スタジアムの雰囲気も「またか・・・」「うんざり・・・」ということになるでしょう。
僕自身はブーイングなんてゼロな状態が素晴らしいと思いますが、強いてブーイング論者(?)を支援するとしても、平静時があるからこそ、ブーイングが活きるのではないでしょうか。
いつもどこでもブーイングでは、スタジアムの雰囲気がモタ〜となってしまいます。
4.イメージの悪化を招く
サッカーのファンは恐いから。阪神ファンって、おっかないよね。どこで生まれたのか、こんな誤解。
まぁ暴力的なトラブルだったり、バス囲みによるところが大きいんでしょうけど、ブーイングによる部分も少なからずあるのではないでしょうか。
以前、母に「たまにテレビをつけると『ブ〜ブ〜』って」と、からかわれたことがあります。普段、スポーツを観ない人にとっては、ブーイングに馴染みがないだけに耳に、記憶に残りやすいのかもしれません。
ブーイングのないスタジアムを日本の誇りに
たしかにブーイングのおかげで男性性が強調される部分はあると思います。
それによって、スポーツのシンプルな醍醐味(勝った、負けた/うれしい、悔しい)が際立ちます。
さらに相手を精神的に追い込むことで、味方選手を応援するという意見も、言わんとしていることは理解できます。
でも、それでもブーイングには反対です。
ブーイングがなくてもスポーツの醍醐味は味わえます。
ブーイングがなくても、応援する選手は全力で戦ってくれます。
僕は、ブーイングのないスタジアムを日本の誇りにしたいと考えています。
<追記:2009/11/11>
Twitter上で、「元所属選手に対するブーイングは敬意であり、愛情だ」という意見を頂戴しました。そうした意味合いでブーイングが行われることは、理解できなくもありません。
しかし、その意味が、観戦初心者やサッカー界の外にいる人に伝わるのかは疑問です。
僕はサッカーの良さを、もっと多くの人と分かち合いたいので、あらぬ誤解で将来の観戦仲間を減らしたくない。
敬意を示す方法は、選手紹介時の拍手や歓声、試合後の拍手やコールなど、いくつもあると思います。愛情を込めたブーイングが誤解を呼ぶ可能性があるのならば、それも、僕にとっては、あまり好きじゃない応援方法だと言えます。
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名無し (日曜日, 04 6月 2017 15:30)
お前みたいな甘っちょろい考えのやつがいるから日本はサッカーで勝てないんだよ