「『ジャパン』はなぜ負けるのか〜経済学が解明するサッカーの不条理」を読んで
愛するクラブの勝ち負けは僕たちの生活において、
さまざまな感情をもたらします。
「こんなクラブ応援しなきゃ良かった」「もう試合なんか見ない」
と思わされることもしばしばですが、それでも私たちは
また、いそいそとスタジアムへ足を運んでは歓声をあげ、嘆息をもらしてしまいます。
自分でもなんでそんなに苦しい想いをしているのか分からないけれど、
負け続けても、たまにしか勝てなくても、
毎週スタジアムやテレビの前で、選手達のプレーに声をあげています。
ファンというのは本当に不思議なものです。
常識がかわる!?
「『ジャパン』はなぜ負けるのか〜経済学が解明するサッカーの不条理」では
選手の移籍、クラブビジネス、PK、都市とクラブの実力の関係、
さらに、ファン心理、W杯開催、各国の実力などなど、
サッカーに関するさまざまなテーマが経済学の切り口で語られ、
私たちがいかに思い込みに支配されていたのかが明らかになっていきます。
帯に
「×PKは不公平なルール」
「○サッカーはビジネスですらない」
「○ブラジルをまねてはいけない」
「×ワールドカップは『冨』を生む」
とあるように、「常識」は常識でなくなっていきます。
読みすすめるたびに、もう、目から鱗の連続。
多少、数字遊びがすぎるかなと思わされる部分はあるものの、
なるほどとうならされ、感心させられ、そして自クラブを顧みさせられ...。
376ページがあっという間にすぎさっていきました。
クラブはスペシャルな存在なのか
そんな中で特に僕が気になったのは
9章「サッカーファンは本当に『熱い』のか」
10章「あるファンの遺書」
の2つ。
さまざまなファンのあり方が描かれ、
そしてクラブがファンの「生」をいかに支えているかが実証されていきます。
その論を読んでいくにつれ、
スポーツクラブとは、どのようにあることが市民にとって幸福なのかを
とことん考えさせられます。
わが家には子供がおらず、夫婦ともにグランパスを応援しているため、
もしかしたらグランパスが子供のような存在になっているかもしれません。
いらつくことや悲しいことがあっても、グランパスが僕らの「かすがい」に
なっていることもあるでしょう。
僕らはグランパスに生かされているということができるかもしれません。大げさだけど。
サッカーの本だけど、サッカーだけじゃなく、愛するクラブ、チームを持つ人には
ぜひ手にとってもらいたい本でした。
スポーツクラブは僕らが思っているほどスペシャルな存在じゃないけれど、
でも僕らの人生には、やっぱりスペシャルな存在なんだと。
この本を読んで、僕は、そう思うのです。
タイトルは気にしない!
あと、書名にある「ジャパン」云々は、第2章なのですが、
各国にローカライズするために書き起こしているものらしく、
CDアルバムでいう「日本版サービストラック」ですね。
正直、内容はどうということはないので、読み飛ばしてもOK。
なぜ、これをメインタイトルにしたのか...と思えるほど、
「ジャパンはなぜ負けるのか」以外の部分が読み応えある本でした。
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Nathaniel (月曜日, 23 7月 2012 02:40)
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