クルム伊達公子のあきらめなかった強さ

クルム伊達、世界12位から大金星あげる◇全豪オープン

 

テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は大会2日目の15日、女子シングルス1回戦が行われ、クルム伊達公子(日本)が第12シードのN・ペトロワ(ロシア)に6-2, 6-0のストレートで勝利、初戦突破を果たした。

 

http://news.tennis365.net/news/today/201301/95513.html

42歳、17年ぶり、12位の選手に

クルム伊達公子がグランドスラムで勝利しました。

 

全豪オープンでは17年ぶりの勝利。今大会の出場選手には、彼女が前回、この大会で勝利したときには生まれていなかった選手もいるほどのブランク。

 

そして勝った相手もただ者じゃない。去年の東レパンパシフィックオープンの優勝者で、世界ランク12位のナディア・ペトロワ。女子テニス界で強豪の1人に数えられる選手です。

 

"42歳"の選手が"17年ぶり"に、"12位"の選手に勝った。

 

この勝利のすごさを数字で示そうと思えばそういうことになるんだろうと思います。あるいは"6-2,6-0の完勝"だったというのも加わるかもしれません。

 

でも今回の勝利のすごさは、その数字の外側にあると僕は感じています。

勝てなかった2012年

去年、2012年、クルム伊達公子はまったく勝てませんでした。5カ月間勝利できなかった期間もあり、ランキングももっとも落ちた時期には140位台まで落ち込んでいたようです。

 

復帰後目標にしていたはずのロンドンオリンピックへの出場も叶いませんでした。錦織とダブルスのトレーニングまでしてたのに。

 

で、同い年の傍観者としては、「もう、あきらめたらどうだろう。よくやったよ」と思っていたわけです。オリンピックに出られなかった時点で、「今年(2012年)いっぱいでラケットを置くんだろうな」と勝手に信じ込んでいたわけです。

 

年齢のせいじゃない

でも当の本人は、そんなこと思ってもいなかったんですね。

 

全豪オープン前のインタビューではこんな風に話しています。

「ポイントにこだわらずに試合数をこなしていくことで、必然的にいいプレーができれば、いずれ勝ち星にもつながってくることもあると信じて、あまり数字にはとらわれずに戦っていきたいと思っています。」

スポーツナビ http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/text/201301140005-spnavi.html

 

 

正直、「まだ勝つ気なのか・・・」と驚きました。心の中では半分、笑っていたと思います。だって去年、あんだけ勝てなくて、さらにひとつ年齢を重ねて、勝てるわけがないじゃないかと。

 

でも今日、クルム伊達公子はナディア・ペトロワに、完璧な試合運びで勝利しました。思い通りに試合が運ばないペトロワがイライラしてる様子が、画面を通して日本に伝わってくるぐらいに一方的な内容で、シード選手を下しました。

 

彼女は長く勝てなかったことを決して年齢のせいになんかしてなかったんですね。きちんとコンディションを整えて、技術を磨いて、大会にベストな状態で臨めれば結果は残せると信じていたんです。

 

世界の第一線の舞台に復帰し、40歳でウィンブルドンでも勝利して世界中を驚かせて、そしてその後、勝てなくなってランキングは下降線をたどる。

 

そんな中にあっても、勝てないのは年齢のせいじゃないんだ。あきらめなければ、まだまだ戦えるんだとクルム伊達公子は思い続けていたんですね。

 

そして実際に成績を残してしまった。

 

どんだけ強い心なんだと。

どんだけすごい体なんだと。

 

あきらめないということ

別にこれは、あきらめなければ願いは叶うなんていう安っぽい道徳の教科書に出てくる物語でもないし、同い年の僕もあきらめないで頑張ろうなんていう小学生の感想文でもありません。

多分、僕に彼女の精神力と厳しいトレーニングはマネできません。

 

ただメルボルンのコートの上に、あきらめないでものすごいことを成し遂げたテニスプレーヤーがいるよと。

 

そのすごさは42歳とか17年ぶりとか世界12位を倒したとか、そういう数字じゃない部分なんだよと。

 

そんなことをおぼえておくことぐらいはできるので、きちんと今日のクルム伊達公子の偉業を心にとどめておきたいと、そんな風に思うわけです。

 

そして伊達さん、本当におめでとうございます!

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