バカにあおられて会社を辞めちゃダメですよ

最近、「会社に依存するなんてバカだ」みたいなことを言う方がいるので、

大学中退→小企業→フリーライターという経歴の自分が感じることを書いてみました。

 

なんかの参考になればと、大学時代のことから延々と書いていますので、

かなり長いです。お時間のある方はぜひどうぞ。

(多分、読むのに3〜4分ぐらい)

 

でははじまりはじまり〜

大学時代(読み飛ばしてもいいかも)

大学時代は働くことをきちんとイメージできていませんでした。

今になって思えば、ぼんやりと

「文章を書いてお金をもらいたいな。スポーツライターとかかっこいいな」

ぐらいのことしか考えていなかったように感じます。

 

それと大学が大っきらいで、全然、学校に行ってませんでした。

両親には3回生まれ変わっても謝りきれないぐらいに申しわけないんだけど

大学に行かず、単位がもらえず、そして留年。

それを何年も繰り返してました。

 

結局、大学を辞めたのは7年生のとき(だったと思います)。

辞めることができたのは

「どうせこのまま頑張っても8年で卒業はできないだろうな」という諦めと

もうひとつはすでに編集制作の会社でアルバイトをしていて、

そこそこ戦力になることができていたから。

 

あと、そこそこに名のある大学(早稲田)に行っていたので、

「俺なら何とかなるだろう」ぐらいの勘違いの天狗さんにもなっていました。

もちろん大学の名前なんて何の役にも立たないし、

まったく能力の保証にもならないんですけどね。

 

中退〜就職〜会社員時代

単位が取れていないんだから、もちろん就職活動なんてしていなかった私ですが、

それでも前に書いたように「文章を書いてお金をもらう仕事がいいな」と

ぼんやりとは考えていたので、学生の頃から知り合いや先輩に

せっせとお手紙を書いたり、

文章を読んでもらう機会をつくってはいたわけです。

(※'94〜5年の話なのでインターネットの夜明け前です)

 

で、それを読んでくれていた先輩の一人が

「学生に取材記事を書いてもらう企画があるから、お前やる?」

と声をかけてくれていたのです。

 

そしてそのときの企画をきっかけに制作会社の仕事を手伝うようになり、

そこそこの戦力として計算してもらえるようになっていたので、社長に

「すみません。大学辞めるんで、雇ってください」と・・・。

 

当時は今ほどではないとはいえ、やはり就職は厳しい時期で、

我ながら運が良かったなぁと思うわけですが、

前々から恥も外聞もなく

「文章書いてお金もらいたいよ」とアピールしていたことが

結果的には職につながったわけです。

 

これが私の大学を辞めて社会に場所を得るまでのお話です。

 

会社に入ってからは与えられた仕事をたんたんとこなす毎日でした。

とはいえ、イヤな仕事だったかといえばそういうわけではなく、

そもそも憧れていた種類の仕事に就いたのですから、

一所懸命に企画を考え、取材をし、記事を書き、

クライアント企業を周り、デザイナーや印刷会社と連絡を取り、

必死になって冊子の編集をしていました。

 

なにしろ小さい会社なので何でもやんないといけなかったわけです。

 

仕事のジャンルは医薬品業界。

バカみたいに憧れていたスポーツの世界ではないけれど

その分野に自分の席を獲得できたことは、それはそれで喜びでした。

また何にしろ、大学を満足に出ることが出来なかった自分が

働いてお金をいただけるのですから、ありがたいお話だと。

 

ほんとうにほんとうにありがたい環境に身を置かせてもらっていたんですが、

ただ、ただね......

毎日、同じ場所へ顔を出し、同じ人たちと言葉を交わし、

同じような仕事をするのに耐えられなくなって、

どんどん職場で無愛想になってしまったのです。

 

小さな所帯でしたから、一人が無愛想になれば、

それはそれは職場の空気がどんよりと曇るわけですよ。

そしてその原因が自分であることも分かるわけだから、

どんどん肩身が狭くなる。

 

肩身は狭くなるけど会社には部屋が2つしかないから、逃げ場がない。

そもそも医薬品の仕事も好きでやってるわけではなかったので、

その頃は薬関係の仕事にもやりがいはまったくなくなってしまっていました。

 

 

フリーライターとして独立

で、社長とケンカするようになって、

会社を辞めたのが社会で働き出して7~8年目。

32歳のときだったと思います。

 

会社を辞めて何をするって、とりあえず転職先もないし、

自分にできることは取材をして原稿を書くことなので、

フリーライターとして仕事をしていこうと。

 

すごくありがたいことに昔からの友人や

前職時代にお付き合いのあった方が仕事をくれて

比較的にスムーズにご飯を食べていけるようにはなりました。

 

社会に出たときといい、会社を辞めたときといい、

本当にありがたいお話です。

人づきあい、ほんと大事。すごく苦手だし、全然うまくできていないけど。

 

ただフリーランスというのはまったくの浮き草稼業で、

当たり前ですが月々に決まったお金が入ってくるわけではありません。

しかも特定のクライアントに収入を依存してしまうと、

そことの関係が切れてしまうと途端に窮地に陥ってしまうわけです。

 

まして私、計画性とか無縁の人生なので、

ここまで貯金があるわけじゃありません。

収入が途切れれば、それ即ち、飢え死にの危機。

自分ひとりで死ぬ分にはいいんですけど、妻もいるので......。

この辺は昔話ではなく、今現在、

リアルに生きていくピンチに陥っているので

まったく笑えない話なわけですが、

まあ、フリーランスライターというのはことほどさように

人生の危機と背中合わせに生きているわけです。

(もちろんちゃんと人生設計してるライターさんは大勢いらっしゃいますw)

 

 

最近の風潮に思うこと

最近、よく

「会社に依存した人生なんてもう終わりだ」とか

「就職できなければ起業すればいい」とか

そんな声がネットを通じて聞こえてきますよね。

 

とくに齢の高低男女の差を問わず、声の大きな方が叫んでいるようで、

安直な独立志向を訴える「俺様」の声が

聞きたくもないの聞こえてくるわけです。

 

そんな声が聞こえてくるたびに感じるのは、

「お前には他人様の不安を抱えて生きる覚悟があるんですか?」

ってことですよね。

 

ラッキーの連続でなんとか会社と名のつく場所に滑り込み、

さらなるラッキーでフリーライターとして糊口をしのぐことができている

そんな私だって、

 

明日にはご飯が食べられなくなるんじゃないか。

40を過ぎて、今から雇ってもらえるとしたらどんなところなんだろう。

そもそも生きていけるのかな。

生きている資格があるのかな。

60過ぎる頃にはどうなってるんだろう。

国民年金だけで老後は生きていけるのかな。

住むところはいつまでこうして借りていられるのかな。

 

それはもう脳みそが起きている間という間中、

不安に押しつぶされてしまっているわけです。

一応、専門分野があって、15年を越えるキャリアがあって、

実績を問われれば充分に示す作品がある私でも

つねに、本当につねに、不安が心の中に低く垂れ込めているんですよ。

 

それなのに「就職できなければ起業」? 「会社に依存するな」?

そんな安易に冒険をけしかけて、

社会に向けて不安の大安売りをして何になるのか......。

 

まあね、私に仕事がないのは単純に能力不足ってこともあるだろうし

不安にやられてしまっているのも、

いきあたりばったりの生き方が問題だってのも充分にあると思います。

 

けどね、どこにも所属せず、自分の力だけで何かを獲得していくことが

凡人にとってどれだけ大変か。

twitterでふぁぼられ、facebookでlikeされるだけで

小躍りしてしまう程度の小者にとって、

社会の中で仕事を獲得し、金銭を獲得し「つづける」ことが

どれだけ大変なことか。

 

「自力で生きていくのは大変なんだよ」

と俺様たちにケンカを売ったところで、

就職先・転職先を見つけるのに苦労してる大変な状況の方々に

私から「こうするといいよ」なんてアドバイスはできません。

 

個々人の状況やスキルもあるでしょうし、

夢の重さも、簡単に諦められるものと捨てられないもの。

それぞれ差があるでしょう。

 

ただひとつ言えるのは、安直な煽り文句に乗っかって

「そっか、会社勤めなんて大したことないんだ」とは

思ってほしくないなと思います。

 

もちろん体や心を壊してまでしがみつくのは違うと思うけど......。

 

自分の人生なんだからバカの大声にやられないで、

どうか慎重に真剣に考えてください。

 

あと、長々長々と書いてきて、一番言いたいことは何かというと、

仕 事 く だ さ い

ってこと。

 

インタビュー記事なら1,000本以上書いてきましたし、

医薬品だけじゃなくビジネス全般いけますんで、ぜひお声がけください。

お問い合わせはこちらから、ぜひ(真顔)。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    sex tel (金曜日, 03 11月 2017 21:03)

    przyjeziorowy